その依頼を受けて1日が過ぎた……。




―天使協会 日本支部―



夜が明けてすぐの頃、私と泰光は大天使が到着するのを待っていた。


「本当に来るかな?あの大天使が。」


泰光は退屈そうにアクビをする。


「泰光。くれぐれも軽はずみな言動や行動は慎みなさいよ?上に知れたら私達消されるわよ。」


そう言うと、気だるく返事をした。



ギィーッ…。



しばらく待っていると、背後からドアが開く音がして振り返った。


背後には先程まで無かったはずの場所に扉ができていた。



音の無いこの場所を妙な緊張感と安らかな気配が支配していく。



コツ…コツ…コツ…コツ…コツ……。


複数の足音が聞こえ、天使協会の漆黒のコートとは正反対の純白のコートに身を包み、胸には天使協会の勲章がついている。

顔は皆フードを被っていてわからないが、ただ者じゃない雰囲気を漂わせていた。



私達は無言で大天使に膝待つく。


これは…人が発する気配なの…?


人を越えた存在…まさに大天使…。


本物の神の使い……。


「もう顔を上げなさい。」


柔らかい女性の声が聞こえ、私達は顔を上げた。


先導していた大天使がフードを取ると、美しい長い黒髪で優しい顔つきをした女性が立っていた。


それに合わせるように後ろの4人もフードを取った。


女性が2人、男性が3人。



「私は大天使『ミカエル』の称号を持つ女。ミカエルでいいわ。急に来てごめんなさいね。」


ミカエル様は私に握手を求めた。


恐る恐る手を伸ばすと、もう1人の女性が私の手を掴んだ。