始末屋



旅館から全力疾走して魔具屋に来た。


息を整えて辺りを見回してみた。





あれは…!


店の前に和志が倒れていた。


すぐに和志の方に行った。


「和志!和志!」


声をかけてみるが、やはり目を開けることはなかった。


胸を斬って…心臓を直接何かで刺したのか…。



「くそっ…!」


地面に座り込んで拳を握った。


もっと早く気付けたらこんなことにはならなかったのに…。



あいつはどれだけ調子に乗れば気が済むんだ…。


気配を晒したってことは俺がここに居るってわかってたからだろう。


そしてこの現状を見せたかったんだ。


俺の無力さをわからせる為に…。


それか桜の体を使って人を殺したのを見せつける為だろうな…。


ん?


ふと死体の向こう側を見ると、何かが書いてあるのがわかった。



俺はそれを確認してみた。






―GOOD BYE KAORU by SAKURA―



「…にが…。何が…桜だよ!!!」


手で地面の文字を消し、地面を拳で殴った。



俺は…何も変わってないままだ…。



振り返って店の中を見ると、荒らされている形式が目についた。


店の中に入ると、やはり荒らされていた。


何か探してたのか…?



目的の魔具か何かか…。



―『あのカス…。魔具の情報なんてどこで知ったんだろうな。』―


さぁな。


俺がそんなこと知るかよ。


―『とにかく。ここから離れた方がいいな。警察に目をつけられたらお前が困るだろ?』―


確かにな…。



店の外に出て、和志の死体を見た。


そして、左手をかざす。



「ブラック…バーン。」


和志の死体の真下から黒い炎の火柱が上がり、死体を燃やしていく。


俺は目をつぶってしばらく黙祷を捧げた。


せめて…安らかに眠れるように。


そう祈りながら…。



―『慈悲の心か?』―


馬鹿にしたようにアビルは言った。


「和志には世話になったからな。」