女の子が腕を広げると、全身を闇が包んでいく。
何が起こるんだ…。
闇が晴れると、焼けただれた顔や皮膚が完全に元に戻り、黒いドレスを着た女の子が立っていた。
再生の悪魔王か。
ここまでしても再生するのか…。
『あんなに追い込まれたのは始めてよ。私も本気を出してあげないと失礼よね♪
早く終わったりしないように。じゃないと楽しい気分が台無しになっちゃうわ!』
さっきよりも女の子の殺気が出ているのが感じられる。
この女の子底無しか…?
薫君はこんな相手と戦うつもりなのか?
はっきり言って…薫君じゃ無理だ…。
『首切り紅堕羅…"血時雨(ちしぐれ)"。』
女の子が両手を広げると、2本の真っ赤なナイフが出てきてそれを掴む。
あのナイフは一体何の能力があるんだろう…。
『早く死んじゃダメよ?』
女の子は俺に向かって斬りかかる。
避けて、俺は女の子に殴りかかった。
すると俺の腕に手を置いて飛び上がり、顔面に蹴りを入れた。
少しぐらついた瞬間に俺の腹にナイフが刺さった。
「グッ…!」
すぐに女の子を引き離して距離を取った。
毒の症状はない…。
体も痛み以外はない…。
あのナイフは一体何だ?
女の子は俺を見て笑う。
『残念。少し本気出しただけでもう死んじゃうんだもん。』
そう言った瞬間に女の子は目の前から消えた。
グサッ…!
えっ?
消えた女の子は俺の背中をナイフで刺していた。
「ちっ!」
ナイフを抜いて後ろを振り返るが、そこには女の子が居ない…。
グサッ…!
また背中にナイフが刺さる。
『血時雨は血が大好きなの。だから確実に血が吸えるように次元移動してあなたの血を吸いに行くの。私はものすごいスピードで移動してる訳じゃないのよ。簡単な言い方をすれば瞬間移動って感じね。』
次元を移動して俺を刺している…?
そんな能力が本当に有るのか…?
