黒い鮫と白いライオンが食い合いを始めていた。


その隙に白いライオンを鎌で斬り、史朗の方に向かって鎌を投げた。


史朗は鎌を避けて白い銃を口にくわえ、右手で鎖を引っ張って俺を引き寄せた。



そして、俺の右腕を肘と膝で思いっきり挟んだ。



バキィッ…!


鈍い音が体内に響き渡り、体に激痛が走った。


「ぐあぁぁっ……!」


さらにそこから銃で俺の頭を殴って、顔面を蹴り飛ばした。



やばい……。


腕折れてる……。



立ち上がると、右腕がだらんと垂れる。


「……利き腕いただきました。」


くわえていた白い銃を持って史朗が言った。



どうするかな…。



この状態じゃ上手く戦えない…。



「そろそろ終わりにしましょうか。なかなか楽しい時間を過ごせましたよ。ありがとうございます。」



両方の銃を俺に向ける。



「…俺も久しぶりに楽しかったよ。だから…お礼におもしろい剣を見せてやるよ。」


骸懺悔をしまい、左手を地面に向けた。



「死神の双剣…『幻魔と絶望(げんまとぜつぼう』。」



闇が出てきて、その中から2つの剣が出てきた。


青白い刀身で細めの剣が幻魔。


漆黒の刀身で幻魔よりも大きな剣が絶望。

この2つの剣にはアビルが倒した双子の悪魔を封印してあるらしい。


幻魔には幻を見せて、ジワジワと相手の心を破壊して殺すのを快楽に感じていた『ルーシー』という悪魔。


絶望には暗闇に誘い込み、体を切り刻んでバラバラにして、その肉を食らっていた『ルーク』という悪魔。



この2体をアビルが殺して、死神の双剣の中に封印したらしい。



俺は幻魔の方を掴み、史朗に斬りかかった。