始末屋

「あんまり使いたくなかったけど…あんたなら丈夫そうだし大丈夫だよね!」


俺は立ち上がって、手の骨を鳴らした。


「何をするつもりだ?」



行くよ…イスーラ…。


でも…本当に大丈夫?



―『大丈夫だよ。あいつ丈夫そうだし死にゃあしないだろ。まぁ、俺はあいつが死のうが死ぬまいがどっちでもいいがな。』―



曖昧だな~…。


でも使わないと負けるかもしれない…。



俺も薫を守れるくらい強くならないと…。


「何もしないのか?わざわざ待ってるのによ~」


二朗は退屈そうに言う。


「わざわざ待たなくてもよかったのに!なるべく力抜くようにするけど…初めて使う技だから力加減できないかも…。

まぁ、いっか‥。

フレイムゴッド!!」


俺の周りに炎が巻き上がり、それが俺の体に纏わりつく。


その炎は赤い鎧に変わった。


「何だ…それ…。」


二朗は俺を指差して言った。


「炎の悪魔の力を鎧に具現化したんだ。力は今までの……5倍かな!」


炎の羽が生え、二朗の目の前に一瞬で移動した。


右手で二朗の顔面を掴んで、そのまま押して壁に叩きつけた。


「ガハッ…!」


左手を広げ、フレアランスを出した。


だが二朗は俺の腹を蹴って、俺と距離を取った。


フレアランスを二朗に投げた。



二朗は炎を出してそれを相殺した。


その間に二朗の方に向かい、顔面を蹴った。



二朗は俺の足を掴み、壁に叩きつけた。



「はぁ…はぁ…はぁ…負けられないんだよ…俺は…。俺が負けただけでも…兄貴の名前に傷がつく…。それだけは絶対…ダメなんだよ!!」


息を切らして二朗が言った。


俺は立ち上がって、二朗に向かって構えた。


「それは俺だって同じだよ。俺が負ければ薫の名前に傷がついちゃう。だから俺も…負ける訳にはいかないんだ。」



二朗は俺に殴りかかってきた。