始末屋

―優と二朗―


俺は二朗に殴りかかった。


二朗も俺に殴りかかる。



「「うお~っ!!」」



お互いの拳がぶつかった。



ぐっ…!


力負けして壁まで吹き飛ばされた。



「その体つきにしては力あるみたいだが…俺には劣るな。同じくらいの力を出していたとしても…俺とお前の体格差じゃ俺が勝って当然だ。」


立ち上がって首の骨を鳴らした。


「そんな難しいこと考えて戦ったことないから。それに…そんなこと関係ないでしょ。結局勝った方が強いって世界なんだから。」


俺がそう言うと、二朗は笑った。


「違いない!勝てばいいんだよな!!」


鉄のグローブを擦り合わせると、グローブに炎が纏った。


「炎拳…大熊!!」


二朗が地面を殴ると、俺の真下から炎が出てきた。


俺はすぐに二朗に殴りかかってかわした。


拳を避けられ、二朗は腹に殴りかかってきた。


それを避けて拳に炎を纏い、二朗の顔面に殴りかかる。


軽く避けられて俺の頭を掴み、顔面に膝蹴りをくらった。


俺は二朗の胸ぐらを掴み、そのまま背負い投げをした。



だが、足元を蹴られて転かされた。



二朗は立ち上がって俺に殴りかかってくる。


俺は二朗の腕を掴み、二朗を転かして腕ひしぎをかけた。


「ぐあぁぁっ!!」


二朗は何とか抜け出そうとするが、抜け出せずにいた。


「悪いね…!力だけなら…負けるかもしんないけど…!テクニックなら負ける気しないから…!腕…1本もらうよ…!」


そのまま力を入れて腕を折ろうとした。


だが、体が浮き上がって地面に叩きつけられた。



「やるなお前…!俺とここまで張り合ったのは最近じゃお前だけだよ!」



この人本当に力が強い…。


俺の腕ひしぎから逃げた人なんて居なかったのに…。



世界って広いんだな~…。