始末屋

―優と二朗―


「あいつ行かせてよかったのか？兄貴はとんでもない強さだ。まぁ…どっちが行っても変わりはないがな。」


男は上を見て言う。


「薫は絶対勝つよ。どんだけ強かろうが…薫には関係ない。薫もとんでもない強さだからね！」


俺は男に笑って言った。


「俺は護り屋の二朗だ。お前は？」


「始末屋の城島 優だよ。」


二朗は俺に向かって構える。


「そうか。じゃあ優よ…ここで死にな！！」


二朗は殴りかかってくる。


俺は避けて顔面に殴りかかった。


二朗はすぐに体勢を立て直して俺の拳を掴み、顔面に殴りかかる。


腕でガードして二朗の腹を蹴った。



その瞬間体勢が崩れ、壁まで投げ飛ばされた。



「いたた～…。うわっ！」


二朗はすぐに俺に殴りかかってきていた。


拳をしゃがんで避けると、壁に亀裂が入った。


股の間を滑って通り抜け、立ち上がって二朗に構えた。



速い…。


それに力も強い。



こういうタイプの人って筋力に頼りすぎて速さはないのが多いんだけど…この人は全然違う。


「次はこっちから攻めるよ！！」


俺は二朗に向かって殴りかかる。


二朗の顔面に俺の拳が入った。


だが、腕を掴まれて腹を殴られた。



「グフッ…！」


「肉を斬らせて骨を断つ。俺のやり方だよ。」



そのまま持ち上げられて、地面に叩きつけられた。



強い…！


二朗は拳を振り上げる。


「フレアランス…！」


炎の槍が二朗に向かっていく。



二朗はすぐに後ろに下がって避けた。



ギリギリまで引きつけて出した技なのに…。



この人…体術や反射神経…力の強さは今まで会った中で一番だ…。



「忘れてたよ！お前も変な能力があったんだよな～。」



起き上がって、二朗に向かって構えた。



「ごめん…あんたを舐めてた…。久しぶりに本気出すよ。試したい技もあるし。」


俺がそう言うと、二朗は笑って俺に向かって構えた。