由莉恵は立ち上がって俺を見た。
「何でこんなことを…。」
「俺を殺したいんだろ?万全な状態でいつか俺に復讐しろ。完全に治ったと言っても戦えば傷はまた開く。治ったらいつでも来いよ。」
俺がそう言うと、晴が俺の方に来た。
「……ありがとう……」
俺はタバコを床に落として足でもみ消した。
「どんな状況になっても敵に礼なんて言うんじゃねぇ。行くぞ優。」
優は俺の方に来て、階段を上がり始めた。
ドスンッ!!
上の階段から何かが落ちてきた。
「始末屋ってのはお前らだな?」
そう言って落ちてきた大男は俺の顔面を掴み、地面に叩きつけた。
「グッ…!」
「薫!」
こいつ…半端じゃない力だ…。
何とか抜け出そうとするが、男の力が強すぎて抜け出せない。
その時、男は優に蹴り飛ばされた。
「大丈夫?薫!」
「大丈夫だ。あいつ…あの2人とは比べ物にならないぞ。」
俺は顔を抑えて立ち上がった。
男は起き上がって俺に殴りかかってくる。
それを優が受け止めた。
「ここは任せて!薫は雪像を!」
俺は優の言葉を聞いて、上に上がった。
