―牧瀬組 組長室―



組長室のドアを開けると、牧瀬が机に座っていた。



「始末屋のお出ましだ。結城グループから奪ったフロッピーを出しやがれ。」


俺がそう言うと、牧瀬は笑いだした。


「素晴らしい!私の手駒を全て倒し、ここまで来るとは!やはりあなた方は最高だ!」


何だこいつ。


ここまで来られたのに焦りがない。



何かあるのか?


契約者らしい反応もねぇし‥一体何があるんだ。



「えらくご機嫌じゃねぇか。何かいいことでもあったのか?」


「君達がここに来たことがいいことだ。どうかな?私と手を組みませんか?」


そう言って、俺の方に何かを投げた。


これは‥。


フロッピーか。


「それを始末すればあなた達はフリーだ。私が次の依頼人になりますよ?一緒に暴れませんか?」


ふ~ん。


それが目的か。


フロッピーをヒラヒラさせて、牧瀬の方を見た。



「別にいいぜ?」


「薫!何言ってんの!こいつは理恵ちゃんの敵だよ?」


優が俺に言う。


「今は‥だろ?これを始末すれば関係ねぇ。」



「薫!」



「がたがたうるせぇよ優。俺達は仲良しごっこやってるんじゃねぇんだよ。仕事は仕事。依頼人が誰だろうが関係ねぇ。少なくとも俺はな。」



俺がそう言うと、優は俺から目を反らす。


牧瀬が手を叩くと、ヤクザがぞろぞろとドアから出てくる。


ざっと50人くらいか。


「お仲間が判断を鈍らせてるのはその娘のせいですか。大丈夫です。その娘は殺していいと言われてますから。結城 理恵さん…あなたのお父様にね…。」



理恵は愕然としていた。


ヤクザは理恵に向かって銃を構える。