―赤坂邸―


「何?!その始末屋が雪像を壊しにくると?!」


赤坂さんは興奮気味に私に言った。


「はい。ですから私達はここに留まっているのです。雪像にもしものことがあれば…仕事を任された私達の責任になりますので。」


私がそう説明すると、赤坂さんは私に近付いてきた。


「なぜお前らは始末屋を殺さなかったんだ!!雪像を護るということは邪魔な物も排除するということだぞ!!」



「あの場で殺せば…赤坂様も危うくなってましたよ?すぐに足がつき…雇い主である赤坂様も逮捕されていたでしょうね。

その点ここなら問題ないでしょう。人里離れたこのお屋敷…証拠を隠滅できるにはうってつけの場所かと。」


私がそう説明すると、赤坂さんは歯がゆい顔をする。


「なら…任せてもよいな?」



「はい。雪像はちゃんとお守り致しますよ。」


私はそう言って口元を緩めた。


「もういい。下がれ。」



それを聞いて部屋から出た。


すると出てくるなり二朗が私の銃弾のホルダーを渡した。


それを受け取り、腰に巻いた。



「史朗さん!」


晴が私の方に来た。


その奥には入院していたはずの由莉恵が居た。



「由莉恵…何しに来たのですか?あなたは大事な戦力だからしっかり休みなさいと言ったはずですが?」


由莉恵は腹を抑えてゆっくりこっちに向かってきた。


「すいません…。ですが…私も史朗様の役に立ちたいんです。私が不甲斐ないばかりにこのような結果になったのですから…その私が戦わなくては…ゆっくり休んでいられません!」


立つのもやっとであろう由莉恵の目は、何を言っても動じないような目をしていた。


「晴…あなたが由莉恵を護るのですよ?」


私がそう言うと、2人は嬉しそうな顔をした。