「薫さんが出て少しくらいに兄が来て言ってたんですが…優さんが今眠っているようなので私が代弁させていただきます。

現在雪の女神は赤坂 統さんの屋敷にあるようです。兄は雪の女神を返すように言ったらしいのですが…またあのような奴らが来るかわからないからと断られてしまったみたいで…。

そこで…薫さんの体調が良くなってからでいいので…赤坂さんの屋敷に直接行って雪の女神を始末してほしいとのことです。」

俺が始末に失敗したのをいいことに…雪の女神を手に入れたって訳か…。


向こうには少しずる賢い奴が居るんだな。


まぁ…売られた喧嘩は買ってやるか。


「わかった。わざわざ伝言ありがとうな。俺はもう大丈夫だから明日にでも行けると鳴海に伝えといてくれ。」


そう言ってコーヒーを一口飲んだ。


「あの…薫さん達はいつもこんなに危険な仕事をしているんですか?…私と年齢もそんなに変わらないように見えるのに…。」


麗羅は恐る恐る聞いた。


「危険なんてもう考えなくなったよ。俺達はこれが当たり前になってるからな。」


タバコをくわえて火をつけた。


「…赤坂さんの屋敷に行っても…死んだりなんかしませんよね?また会えますよね?」


不思議な子だな~。


見ず知らずの…最近来たような俺達のことを心配するなんて…。


「す…すいません…!変なこと聞いて…!迷惑ですよね!ほとんど話したこともないし…ましてや今ほんの一時的に居るだけの所の人にこんなこと聞かれても…。」


麗羅は立ち上がって、慌てて言った。


「心配しなくても死なない。麗羅のように心配してくれる人が居るから尚更死ねないんだ。だから座ってろ。気になるから。」


俺は麗羅に笑って言ってやった。


すると、麗羅は顔を真っ赤にしてソファーに座った。



「すいません…。何か取り乱しちゃって…」


「気にするな。麗羅を見てたらおもしろいから。」



俺がそう言うと、不思議な顔をした。