あぁ…もう日が暮れてる…。
出た時は昼間だったのが、すっかり夕方になっていた。
まぁ、有意義だったからいいか。
そんなことを思いながら旅館まで戻っていた。
旅館に戻ると、玄関の掃き掃除をしている麗羅が居た。
「薫さん!また傷だらけに…!」
玄関に行くと、麗羅が俺に気付いて言った。
「心配しなくても大丈夫だ。もうほとんど痛みもない。」
俺がそう言うと、麗羅は俺の顔をぼーっと見つめていた。
顔に何かついてるか?
「どうした?」
「いや…何か顔つきが変わったな~って思いまして…。すいません…!」
迷いがなくなったからかな?
自分のことだからわかんないな…。
「別に気にしなくていい。」
そう言って、ブーツを脱いで旅館に上がった。
「寒かったですよね?すぐにコーヒーお持ちしますね!」
振り向くと、麗羅が笑って言っていた。
「あと…チョコレートも…つけといてくれ。」
俺もそれにつられて笑って言った。
部屋に戻ると、優は布団も敷かずに寝ていた。
よっぽど疲れてたんだな。
そう思いながらコートを脱いで、ハンガーにかけた。
押し入れから毛布を2枚出して、優にかけてあげた。
その後、ソファーに座って外の雪景色を眺めた。
力は手に入れた…。
あとは……落とし前をつけるだけだな…。
コンコンッ…。
柔らかいノックの音が響くと、麗羅がコーヒーを持って入ってきた。
「どうぞ!」
テーブルにコーヒーとチョコレートが入ってある小さい籠を置いた。
「あっ…。少しお話してもいいですか?」
麗羅は立ったまま俺に聞いた。
「話すならそこ座れ。気使って話したくないんだ。」
俺がそう言うと、麗羅は申し訳ない感じで向かい側のソファーにちょこんと座った。
