本当に薫なの…?


この力…普段の倍はあると思うけど…。


「薫…俺達の仕事は…あくまでも雪像の始末だよ…?若い子を殺すのは…さすがに気が引けるな~…。」



薫は更に力を入れる。



『「キ…エ…ロ…。」』


聞こえてない…か…。


薫を思いっきり押して距離を離した。


本気でいかないと…俺も殺されちゃうな…。


『「キエロ…」』


羽が広がり、黒い球体が周りに浮かぶ。



何これ……。



パンッパンッ!!


発砲音が聞こえたと同時に、白いレーザービームが黒い球体が消した。



入り口を見るとさっき会った2人組の男が居た。


細い方の男は薫に白い銃を向けた。


「荒ぶる悪魔の魂…静まりなさい…。」


パンッ!


薫にさっきのレーザービームが当たると、薫を包む漆黒の闇が消え、体が元に戻った。


薫はそのまま力なく倒れた。


「薫!!薫!!」



すぐに薫に近付いて、安否を確認した。



よかった…気を失ってるだけか。



「史朗さん!二朗さん!」


晴は2人の方に近付いていく。


「嫌な予感がしてみて来ましたが…まさかあのようなことになってるとはね。」


細い方の男がこっちに近付いてくる。


俺はすぐに立ち上がって剣を構えた。


「戦いますか?」


「そっちがやる気ならね…。」


俺がそう言うと、男は笑いだした。


「今はやる気はありません。私はただ…依頼を遂行するだけです。」


そう言って雪の女神の方に行き、ガラスを割って雪の女神を手に取った。


「雪の女神を壊そうとする輩が居て…それを護る為に安全な赤坂邸に持って行く。
あなた方が壊さなかったお陰で…私達の依頼人の望みは叶いました。感謝します。」

「そんなこと…させない…!!」


さっきの白い銃を出して、俺に突き付けた。


「私達も部下をここまでやられて黙ってはいませんよ?壊したければいつでも赤坂邸に来て下さい。そこであなた方を殺します。」


男達は女の子を連れて去っていった。