警備員を気絶させ、俺達は雪の女神がある場所に走って向かう。



「どうしたの?!そんなに慌てて!」


優が走りながら聞く。


「やられたよ。まさか先に仕掛けられてるとは思わなかったし…俺達がここに来た目的も素性もバレてるとは思わなかった。
あの赤坂 統って奴…護り屋を雇ってるかもしれねぇ。」


走りながら答え、場所を確認していた。


ここか…。



雪の女神が保存されてある部屋の前に着き、ドアを蹴り開けた。



「護り屋ってまさか…雪像を壊されないように勝手に雇ったってこと?!」


優が驚いて言った。


「恐らくな。物への執着心は結構強い。赤坂はそうまでしても…雪の女神を手に入れたいのさ。」


中に入って、辺りを見回した。


「居る。雪の女神の後ろに2人…。」



優が言ったのを聞いて、そこを見てみた。


「バレちゃったよ由莉恵!」


「やはり史朗さんの言う通りでしたね。」


後ろの方から男と女が出てきた。



女の方は携帯を出して、誰かと話している。



「はい…わかりました。侵入者は殺します。」


そう言って女は携帯をしまった。


「晴、暴れていいわよ?」


「本当に?!だったら……」



男は視界から消え、俺の目の前に来ていた。



「なっ…?」


「ボッコボコにしてやるよ~!!」



晴という男に顔面を殴り飛ばされた。



なっ…何だ…?


全く見えなかった。


「へっへ~ん!!」


また一瞬で目の前に来た。



バシッ!!


優が晴の拳を掴んでいた。



「薫には相性悪いでしょ?この子は俺がやる。薫はあの女の子お願いね!」


優はそう言って、晴を投げ飛ばした。


「悪い。助かった。」


「気にしないで!薫の見えない物は俺の担当だし!」



優は晴の方に向かった。


俺も由莉恵という女の方に向かった。