始末屋

しばらく歩いていると、目的地の旅館に着いた。


こんな山奥に旅館があるんだな…。


古い外観が伝統を物語っている。



俺達はドアを開け、中に入っていった。



だが、従業員が見当たらない。



「ここであってるよな?」


優は地図を見て頷く。


「すいませ~ん!誰か居ますか~?」


優が大きな声で言った。


俺はコートに付いた雪を手で払う。



「は~い!」


声が聞こえて、階段を降りる音がした。


しばらくすると、階段から綺麗な女の子が来た。



「すいません…!お部屋の用意をしていて気付きませんでした…!」


女の子は頭を下げる。


「あぁ…俺達田坂 鳴海の紹介でここに来たんだが…」



「あぁっ!あなた方が…?十郎さん!始末屋の方々が到着されましたよ~!」


女の子が叫んで誰かを呼んでいる。


「挨拶が遅れて申し訳ありません!私、田坂 麗羅と申します。」


きちんと正座をして頭を下げて言った。


ん?
田坂…ってことは…。


「もしかして…田坂 鳴海の…」


「はい!鳴海の妹です。」


へぇ~…。


妹が働いてる場所だからここを紹介したのか。



しばらくすると、杖をついたお爺さんがこっちに来た。



「お待ちしてました。わしは…この旅館の旅館長の巻 十郎です。ここでは何ですので…お部屋に案内します。麗羅…案内しなさい。」



俺達は靴を脱いで中に入り、麗羅の後をついていった。



2階に上がり、真ん中辺りで止まって、麗羅はドアを開けた。



窓からは雪景色が見え、部屋も広めの和室という結構いい部屋だった。



「わぁ~!雪が見えるよ!薫も見てよ!」


優はすぐに部屋に入ってはしゃいでいた。


「すいません。まだガキなもんで…落ち着きないんです。」


俺は2人に頭を下げた。


「いいよ。あそこまで気に入られたら私達も嬉しいわい!」


十郎は笑いながら言った。