「……寒い……」
「……寒いね…。」
俺と優は鳴海の故郷…北海道に来ていた。
あれから北海道行きの飛行機のチケットを渡され、その次の日に北海道に来た。
真冬の北海道は、扇杜とは比べ物にならないくらい寒かった。
「めんどくせぇな…。何で俺達が出向かなきゃいけねぇんだよ。」
マフラーに顔を埋め、ファーの付いた黒のロングコートのポケットに手を突っ込んだ。
「そういえばその帽子って理恵ちゃんがくれたやつじゃん!」
優が俺の帽子を指差して言った。
「そうだよ。結構暖かいから使えるんだよこれ。」
優はファーのついた白のコートに、赤と黒のチェックのストールを腰に巻いていた。
「お前寒くないの?」
「寒いのは寒いけど…イスーラと契約したからかな?そんなに寒いって感じじゃない!」
便利な悪魔だな…。
俺寒いの苦手だから…上手く戦えるかどうか心配だ。
「薫!早く鳴海さんが言ってた旅館に行こうよ!」
大分はしゃいでるな。
まぁ、無理もないか。
仕事とはいえ、こんな場所に来たの初めてだしな。
タバコを出して、火をつけた。
「さっさと行くか。」
俺達は空港からバスに乗り、バスを降りて山道を歩いていた。
「キツネ!薫キツネ!」
優の指差す方向を見ると、野生のキツネが居た。
「さすが北海道。」
よく見れば、扇杜には無い自然。
気分がいいな。
ゆっくりと時が流れている気がする。
雪降ってるけど…。
冬じゃなかったらな~…。
そんなことを思いながら歩いていた。
