僕の予想とは裏腹に翌日には、自室で目を覚ました。
あげたはずのジャンバーは体にかかっているし、足の怪我もすっかり治っていた。
何が起きたんだろう?
僕はあの時確かに雪山に居て…
そして…あの女性に出会った…。
この時色んな考えをしていたが、その考えていたことを投げ出して、地下のアトリエに走っていた。
作らなきゃ…作らなきゃ…作らなきゃ…作らなきゃ…。
僕は氷を出して、削り始めていた。
何を作るかは頭の中では分かってなかった。
だが、手は勝手にスムーズに動いていった。
ジャッ…ジャッ…ジャッ…。
それから夜を越えて朝になるまで、一心不乱に削っていた。
「……完成だ……。」
完成した雪像を見てみると、あの時見た綺麗な女性が完成していた。
タイトルは……『雪の女神』……これにしよう。
何だろう…自分の作品なのに見とれてしまう。
これは本当に僕の作品なんだろうか?
不思議な雪像だ…。
きっと…あの女性が不思議だったからかな…。
またいつか…会えたらいいな…。
「…ずっと僕を見て支えてくれ。それだけで僕は頑張れるから!」
って…雪像に向かって何言ってんだろう…。
あの時出会った女性が目の前に居る訳でもないのに…。
自分に呆れて道具を直し始めた。
ピカッ!
突然雪像から眩しい光が出てきた。
「うわっ!」
思わず腕で光を遮った。
「な…何だ…?」
しばらくすると光が止んだ。
何だったんだろうか…。
不思議に思いながらも、僕は『雪の女神』を作品提出することにした。