―3年前―











視界を支配するのは………真っ白な銀世界……。


僕は一体どれほどの時間を過ごしただろうか…。


木が倒れ、運悪く足を挟めてしまって身動きが取れなくなっていた。



声を出そうにも…寒さであまり声が出ず。


体を動かそうにも…冷えきった体は上手く動かない。




きっと…このまま死ぬのだろう…。


そう思って、只時間が過ぎるのを待っていた。


この…生き地獄のような時間を……。






しばらく経ってからだろうか。
目の前に綺麗な女性が通りかかった。


この銀世界と同じ白装束を纏った綺麗な女性だった。



なぜ…死のうとする?
あんなに綺麗な女性がなぜ…。



「君…!君!何をしているんだ…!」


僕が必死に叫ぶと、その女性は僕の方に来て目の前に座った。


「死んじゃ…ダメだ…!不幸は今だけだ…君には…きっと幸せになれる可能性がある…。寒いだろう?僕はこのままここで死んでいく…僕の着ているジャンバーをあげるよ。君は…生きるんだ!」


ジャンバーを脱いで女性に渡した。


だが、女性は首を横に振る。



「大丈夫…だから…」


意識が朦朧として、視界がぼやけてきた。


あぁ…とうとう死ぬんだ……。



「君は……」