始末屋

愛ちゃんが居る廃ビルに着き、屋上まで走っていく。



屋上に着くと、真っ赤な夕日に照らされた愛ちゃんが座って景色を見ていた。



綺麗な長い黒髪が夕日に照らされて栗色になっていた。


その姿がとても綺麗に見えて、俺は見とれてしまっていた。



「あっ!優!」


しばらくすると、愛ちゃんは俺に気付いて無邪気に手を振る。



俺はそれを見て我に帰り、愛ちゃんの隣に座った。


「綺麗でしょ?ここの景色!ここは俺が昔angelsってチームの総長やってた時のアジトだったんだ!ここの景色が大好きで…いつもここから裏扇杜を眺めてたんだ。」


愛ちゃんは俺の話を聞いて、また景色を見ていた。


「本当に綺麗~…。私家からの景色しか見たことなかったから…本当にそう思うよ。」



「愛ちゃん…。愛ちゃんが変われば世界は変わるよ?愛ちゃんが叫べば誰かが理解してくれるかもしれないよ?

そうすればこんな場所からの景色よりももっと綺麗な景色が見えるよ!その為には愛ちゃんが頑張るしかないんだ。」



俺の言葉を聞いて、愛ちゃんはうつむいた。



「そうだよね。私が変わらないと…ここは優が案内してくれる最後の場所だもんね…。私が自分自身で見つけないとね。」



最後…。


その言葉を聞くと、胸の奥が痛む。



「最後じゃない…」


「えっ?」


「最後じゃないよ!俺も今日楽しかったし…まだまだい~っぱい見せたい場所や楽しい場所あるから!だから…愛ちゃんがよければ…また一緒に町を回って…ほしい…かなって…思うかな…」


うまく言葉が出てこない俺を見て、愛ちゃんは少し微笑んだ。


それを見ると、また胸の奥が痛んだ。


何だ…この気持ち…。


「約束して!また私と会ってくれるって!そしたら私は…変われると思うから…。」


俺達は小指を結んで、約束をした。


叶うかどうかも分からない約束を…。