裏扇杜に着いて、俺はある場所に向かっていた。
「今から行く所は…すっごい場所だから楽しみにしてね!」
「うん…。」
愛ちゃん…何か元気なくなってる…。
けど…あの場所に行けば…きっと…。
俺達が歩いていると、スーツを着た男達が俺達を囲んだ。
もしかして…さっきの…。
数は20人ってとこか。
「やっと見つけましたよ。さぁ…帰って来て下さい。愛様。」
1人が愛ちゃんに向かって言う。
愛ちゃんは悲しい顔をした。
「嫌がってるじゃん。あんたらもしつこいね~。」
そう言うと、さっきの奴が俺の方を向いた。
「貴様…この方が誰かわかってるのか?この方は三浦財閥の娘…三浦 愛様だぞ。貴様のしたことは立派な誘拐だ!」
三浦財閥?!!
超有名な財閥グループじゃん!
俺でも知ってるし…。
まさか愛ちゃんがそんな人とは……。
「この裏のクズ人間が!!貴様の行為は厳重に「もう辞めて!!」
愛ちゃんが大きな声で言葉を遮った。
「優…ごめんなさい…。」
そう言って愛ちゃんは男の方に向かった。
「そんな小汚い人形捨てて下さい!」
愛ちゃんからウサギのぬいぐるみを奪い、地面に投げ捨てた。
愛ちゃんはぬいぐるみを取ろうとするが、スーツの男達はそれを止めた。
「嫌…!優が取ってくれたの…!優が…!優が…取って…!」
愛ちゃんは連れて行かれていく。
誘拐か……。
多分罪は重いんだろうな…。
でも…これだけ罪で汚れた俺に…これ以上重い罪なんてあるのだろうか?
俺は愛ちゃんを掴んでいる男を殴り飛ばした。
そして、愛ちゃんを俺の後ろに行かせた。
「貴様…まだ罪を重ねるか?」
俺はぬいぐるみを拾って砂を払い、愛ちゃんに渡した。
