愛ちゃんを連れてしばらく歩いていると、ショッピングモールに着いた。



俺が中に入ると、愛ちゃんもついてきた。


「わぁ~!たくさん人が居ますね!」


愛ちゃんはキラキラした顔で言った。


本当に外出てないのがよくわかる。



俺達はエスカレーターに乗って下に降り、フードコートに向かった。



俺はクレープ屋に行って、クレープを2つ頼んだ。


愛ちゃんを手招きして呼んで、クレープを作ってるのを見せてあげた。



「すご~い!作ってるところ初めて見ました!」


愛ちゃんはすごく喜んでいた。


しゅんとしたり…キラキラしたり…笑ったり…。


愛ちゃんの表情はコロコロ変わっておもしろいな~…。


今まで契約者や…汚い人間ばかり見てきたから…愛ちゃんのような子を見ていると心が休まっていく。



「優さん!できましたよ!」


愛ちゃんがクレープを受け取って、俺の方に来た。


「はい!どうぞ!」


笑ってクレープを差し出してきた。


「ありがとう!」


クレープを受け取って、お礼を言った。


「あっ!お金…」


「いいよ!俺からのプレゼント!食べてみて!絶対おいしいから!」



愛ちゃんは申し訳なさそうにして、一口食べた。


すると、驚いた表情に変わった。



「おいしい…。」



「でしょ?ここ俺のお薦めの店なんだ!」


俺達はベンチに座った。


「優さんは詳しいんですね!こんなにおいしいクレープ初めて食べました!」


愛ちゃんは笑って言う。


「敬語とか…さん付けとかしなくていいよ?俺は裏の住人だし…敬語使われるような人じゃないから。」


俺がそう言うと、愛ちゃんは不思議な顔をした。


「裏の人は怖い人ばかりだと思ってました。でも…優さんはそんな人じゃなかった。だから…自分をそんなに下に見ないで下さい。」


初めて見る…。


俺みたいな奴にこんな優しい言葉をくれる人。