しばらく裏扇杜をブラブラしていると、表に行く出口まで着いた。
ちょっと歩きすぎたかな。
振り返って、来た道を戻ることにした。
「こら!待ちなさい!!」
男の叫び声が聞こえて、振り返った。
しばらくすると、1人の女の子が入ってきた。
あらあら…危ないな~…。
その後ろにスーツを着たがっしりとした体つきの男3人が女の子を追っている。
「きゃっ!」
女の子は石に躓いて転んだ。
すると、男達が女の子に追いついた。
「もう逃げられませんよ。」
女の子は怯えた顔で男達を見上げる。
俺は歩いて女の子の方に近付き、男達の前に立った。
「何だ貴様は?」
俺の目の前に居る男が言った。
「恥ずかしくないの?たかが女の子1人に対して凄んじゃって。カッコ悪。」
そう言うと、目の前の男が殴りかかった。
俺は拳を掴んで殴り返した。
それを見て、一斉に男2人が俺に襲いかかる。
目の前に居る奴を蹴って、横からくる奴の頭を掴んで頭突きした。
さっきの奴が起き上がって殴りかかってきたが、頭を踏んで止めた。
そして、顔面を蹴った。
「くっ…!」
3人の男は俺を見て動けずにいた。
「まだやる?」
そう言うと、男達は逃げていった。
「大丈夫?ここ裏扇杜だから危ないよ。早く家に帰った方がいいよ!」
女の子は立ち上がって、俺に頭を下げた。
「た…助けてくれて…ありがとうございます…!」
「そんなのいいよ!無事でよかったね!」
俺はそう言って歩こうとしたが、服を掴まれて止められた。
「あの…私…実はあまり外に出たことなくて…よかったら…扇杜を案内してもらえないでしょうか…。」