始末屋


「いらっしゃいませ!」


店の中に入ると、若い兄ちゃんが挨拶した。


「買い取り…お願いしていいか?」


俺は財布から裏扇杜で偽造した免許証とさっきのストラップを出した。


「買い取りですか?ではこちらの方にご記入お願いします!」



免許証に書いてある住所と生年月日を書いて、1と書いてある番号札を渡された。



「買い取りが終了しましたらそちらの番号でお呼び致しますので少々お待ち下さい!」


俺はそれまで店内を物色することにした。


正直…マニア精神ってのはよくわからねぇ…。


こんな物が2万もすんのかよ…。


プレミアだかなんだか知らんが…こんな物買う奴が居るのか。


俺はショーウインドウに飾ってあるフィギュアを見ていた。



タバコ吸いたいな~…。


まだ終わらないのかよ…。


あんなしょぼいストラップ10円行ったらいいとこだろ…。



『ば…番号札…1番でお待ちの…お客様。至急買い取りカウンターまでお越し下さい!』



俺か。


何で声慌ててんだろ?


まさか偽造免許証だってバレたか…?



そんな訳ねぇか…。


じゃあ何だろ?



俺はさっきの場所に戻った。



すると、さっきの若い兄ちゃんじゃなくて…中年の親父がストラップを持って立っていた。



まさか10円も行かないのか…。



「こちら…どうぞ。」


俺は裏の方へと案内され、イスに座らせた。


「何がしたいんだ?」


俺は親父を睨みつけた。


「実はですね…こちらのストラップ…今アンティークでかなりの値がついてまして…。もう今や世界に2つしか現存品がないんです。」



俺は事態をよく把握できなかった。


だが、親父は説明を続けた。