女をやっと説得して泣き止ませた。
「すいません…。見ず知らずの人にこんなことまでしてくれて‥」
「いや…大丈夫だ‥。」
本当だよと思ったのをグッとこらえて、そう言った。
「ありがとうございました!ネックレスが無くても‥ドレスがこんなに素敵なんで大丈夫です!」
女は涙を拭ってドレスを広げて見せた。
白のパーティードレスか‥。
「似合うと思うぞ。」
そう言うと、女は一礼して嬉しそうに歩き始めた。
女って泣いたり笑ったり大変だな‥。
桜はずっと笑ってたからこんなの初めてだ…。
あっ!
俺はポケットの中に入ってあるネックレスの存在に気付いた。
すぐに走って、人ごみの中から女を見つけ出した。
「おい!」
俺がそう言うと、女はキョトンとした顔で振り向いた。
「あっ!さっきの…!何か私忘れ物でもありましたか?」
慌てて俺に聞く女。
「あぁ…忘れ物だよ。後ろ向け。」
女はわからない顔で後ろを向く。
俺は箱を開けて、後ろからネックレスをかけてあげた。
「えっ…?!これ…こんな高価な物…私…!」
ネックレスの箱を女に渡した。
「俺が持ってても意味がない。ドレスが素敵だと思うなら…ネックレスも素敵な物にすればいい。あんたが着けてた方が俺なんかよりよっぽど似合う。」
そう言うと、女の顔は真っ赤になって下を向いた。
「それじゃ。パーティー楽しんでこいよ。」
俺はそう言って歩き始めた。
「あ…あの…!お礼がしたいんで…携帯の番号!聞いてもいいですか?」
「あいにく…携帯持ってねぇんだ。礼なんて気にしなくていいから。」
振り返って女にそう言った。
