始末屋


幸い、背中に金の骸骨の刺繍が施されている黒のジャージを着ていたから格好的にはそんなにおかしくはないが、秋の風が体を通り抜ける度に、体が震えた。



まさか優があんな強行手段に出るとは思わなかった…。


出たからにはしょうがないか。
さっさと終わらせて帰ろう。



久しぶりに裏扇杜の町を歩いた気がした。


まぁ、廃れてはいるが…初めて来た時のように、死体が転がっていたりとか飢えた子供が居たり等は目立たなくなっていた。



ホームレスは未だに多いが、これだけ長く裏扇杜に住んでいると、裏扇杜の象徴のように思えてきた。



ドンッ!


ホームレスに肩が当たった。



「すまない。」


そう言って歩いていると、肩を掴まれた。


俺はすぐに手を掴んで腕を回し、肩に足を置いた。



「痛い~!痛い痛い痛い!」


肩を掴んできたホームレスは俺の足を叩く。


「謝ったよな?これ以上喧嘩売るなら…腕折るぞ?」


「わかった…!すまない…!だから離してくれ~!」


手を離すと、ホームレスは肩を抑えてうずくまった。


「喧嘩売るなら相手を見てやれ。それじゃ。」



「まっ…待て…!」


歩いていく俺を呼び止めた。


「何?」


「タバコを1本くれないか…?最近仕事が上手くいかなくて…頼む~!」


俺に土下座するホームレス。


これじゃ…俺がいじめてるみたいじゃねぇか。



しゃがんでタバコを1本あげた。


「ありがとう…ありがとう…!」


そう言って、タバコを受け取って口にくわえた。


ライターで火をつけてあげた。


「もうたかったりすんなよ?」


ホームレスは頷いて、嬉しそうにタバコを吸っていた。