窓から吹き抜ける風は、少し冷たくなっていた。
俺は起きて、景色を見ながらタバコを吸っていた。
首にかかったネックレスのリングを触った。
あぁ…。
情けねぇな。
髪もバッサリ切ったのに、まだ考えてる。
あれから髪は美容室で整えてもらい、まだ長かった後ろ髪も首を隠す程度にしてもらった。
まだ立ち直れないか…。
こんな日は1日中寝るかな。
タバコを消して、ベッドに寝転んだ。
「薫~!!」
優がドアを開けて入ってきた。
「例え2人で住んでても…俺にはプライバシーがあるのを忘れんなよ?」
そう言うが、優はあまり意味が分かっていないようだった。
「薫!もう秋だよ!」
キラキラした顔で俺に言う。
俺は無視して毛布にくるまった。
「秋だよ!薫~!」
優は毛布にくるまってる俺を揺らしながら言った。
「何だよお前…!」
起き上がって、優を見た。
「服買わないと!」
「買ってこい。」
そう言って、寝転んだ。
「違う~!」
優は俺の体を起こした。
「薫が買ってきてよ!外寒いし‥たまには行ってよ!」
財布から10万円出して、ベッドに置いた。
「嫌。俺も寒い。」
そう言うと、優は溜め息を吐いて、俺のジャージのジャケットのポケットにタバコとライターと財布を入れた。
「おい‥何…」
言い終える前に、優は俺を抱え込んだ。
「なっ…?!」
そのまま階段を降りて、ドアを開け、俺を外に投げ出した。
「痛っ…!おい!」
「たまには外に出て空気吸わないとダメだよ~!それじゃ!」
そう言って優はドアを閉めた。
「おい!おい!!」
ドアはしっかり鍵を閉められていた。
ったく…。
何考えてんだか…。
仕方なく俺は歩き始めた。