始末屋



服を着替えて、墓地に行った。



そして、慎司と沙織の墓に向かった。


慎司の墓と沙織の墓は隣同士にあり、俺は慣れない手付きで掃除して、線香をあげた。


手を合わせて、目をつぶった。



慎司……。


あの日何もしてやれなくてごめんな…。


俺がもう少し頼りになるような奴だったら…俺が生きている今は何か変わってたかな?



ここに来るまでに随分時間経ったけど…頑張って、お前の敵取ってやるからな…。


それまで…少しの間またお別れだ。




沙織…。


お前にはお世話になりっぱなしだった。


桜と付き合えたのは…お前がいつも俺達を気遣ってくれたからだと思う。


あの日…俺はお前の真横に居たのに‥守ってやれなくて‥本当にごめんな……。



俺はもっと頑張って…お前の敵も取る。



それまで…悪魔を背負って生きていく俺を許してくれ……。



俺は立ち上がって、タバコをくわえて火をつけた。



「またな…。」


そう呟いて、墓を後にした。



「薫…君…?」


声をかけられて顔を上げると、慎司の両親が居た。



俺はすぐに桶を置いて、両親を避けて歩いていった。



「待て!!」


父親の声がして、俺は止まった。


「慎司を殺したのは…君か?」


俺は振り返らずに首を縦に動かした。


「君は…あんなに慎司と仲が良かったのに…なぜ…」



「………失礼します……。」



そう言ってそのまま歩きだした。



「私は…絶対君がやってないと…信じてるからな!!また来なさい!!」



父親の声が聞こえて、俺は振り返った。




俺は深く頭を下げて、歩きだした。