その日、夜になって皆が寝静まった頃に、病室の窓を開けて夜風に当たっていた。
タバコを吸いながら、久しぶりに村の景色を眺めていた。
「髪!伸びたわね!」
後ろを振り返ると、涼風が立っていた。
涼風は俺のベッドに座って、タバコを出してくわえた。
俺は涼風の方に行って、火をつけてやった。
「……気遣わないでいいのに…。」
涼風は煙を吐いて言った。
俺もベッドに背中合わせで座った。
「別に。気遣った訳じゃない。」
「…ありがとう…。」
涼風は小さく呟いた。
「…俺はごめんなんて言わない。そういう言葉をあんたが嫌うのはよく知ってる。
けど…心配すんな。腕1本無くなったって‥あんたは綺麗だ。それは何も変わらないから。俺が保証してやるよ。」
俺はタバコを吸いながら言った。
すると、涼風が背中にもたれてきた。
「すごいね。私が言ってほしい言葉知ってるんだもん。大きくなったね薫。
薫が保証してくれるなら…もう少し頑張ってみようかな!」
涼風は急に動いて、俺はもたれかかっていたから、ベッドに倒れてしまった。
倒れた先には涼風の膝があって、膝枕になった。
「薫はまだまだね。もう少し頑張って‥大切な物をちゃんと守れるようになりなさい。
大丈夫よ。薫なら次はちゃんとできる。
薫は努力家だから大丈夫。私が保証してあげるわ。」
涼風は俺の頭を撫でながら言った。
俺は昔のことを思い出して、目から涙がこぼれた。
「悔しい…悔しい…!今まで頑張ってきたのに…!何も変わらなかった…。誰も守れなかった…!」
泣きながら言う俺に、涼風は大丈夫と言ってずっと頭を撫でてくれていた。
