優の言葉を聞き、俺は振り返った。


「何の話だ。」


優は俺に近付いてきた。


「仕事があればいいんでしょ?俺もちょうど暇だし…あんた悪魔の契約者だから『始末屋』でも始めようか。」


俺はタバコをくわえて火をつけた。


「何言ってんだ?お前。」


「俺があんたの目になってやるよ?あんたなら‥気に入らないけど信じれる。

あんたの見えない部分は俺の目が補うよ。」



優は俺に手を差し伸べた。



「それを受け入れたとして…お前に何のメリットがある?

俺はお前の力を利用して‥金を集め‥情報を買う。

俺は自分の為にしか力を使わない。
お前はただ俺に利用されるだけだぞ?」



俺がそう言うと、優は笑った。



「別にいいよ?色んな事情があるんだったら利用されるのは仕方ないこと。

そんなことは初めから気にしてないよ。
俺はただ…あんたと一緒に居たらおもしろそうだから一緒に仕事しようと思っただけだ。」


優は無理矢理俺の手を掴んだ。


「俺の力…。あんた…いや…薫の為に使ってやるよ」


「わかんねぇ…。何の為に?」


「薫は…結果はどうであれ…皆を救ってくれた。それに…楽しかった。薫と戦ってる時。薫と一緒なら…この先楽しいかなって思ったから。」



確かに…。


俺も楽しかった。



「…さっきも言ったが…お前の力‥利用させてもらうよ。優。」



「お好きにどうぞ…薫。」




そして、俺達は『始末屋』を始めた。



お人好しな‥この優と…。