始末屋

俺達は階段を上がる。


すると、だだっ広い空間の中心に大きな男と刀を持った細身の男が立っていた。



「最終関門みたいだな。」


タバコを吸って、靴底に押し当てて火を消した。


「理恵ちゃん‥俺から離れちゃダメだよ?」


優が理恵に言う。


「侵入者は‥‥排除するのみ。」



細身の男が言って、とんでもない早さで俺の目の前に来た。



ヤバい…!


ガキンッ!



俺はすぐに悪魔の腕にし、鎌を生やして刀を受け止めた。



「なかなかやるな。」


「お前こそ……その辺のチンピラと違うんだな…!」



腕を振り上げて、相手との距離をとった。


「優…あのデカブツはお前に任せた。」



そう言って、相手に向かって拳を構えた。



「俺は朱魔。強者の血を欲する者だ。お前の血をよこせ!」



刀をゆっくりと俺に向けて言い、朱魔は斬りかかる。


丁寧に腕の鎌で受けて、刀に乗って飛び上がった。



「俺の血は高いんだよ。ブラックシャーク!」



地面から出た黒い鮫が朱魔に襲いかかる。


ズバァッ!!



鮫は刀で斬られ、俺は地面に着地した。



ブラックシャークを斬っただと…?


朱魔を見ると、刀から異様な気配が放たれているのに気付いた。


「…妖刀か。それで契約者と同じような能力を身に付けているのか。」



「御名答!だが、気付いたのはそこまでか。」



何…?


まだ何かあるのか。


どっちにしても実力はそこそこあるから、油断できない敵だな…。


久しぶりに『あれ』を出してみるか…。