猪と戦っていて、いつの間にか寝てしまっていた。
寝ぼけ眼で目を開くと、涼風さんの顔があった。
「起きた?服買ってきたから後で着替えなさい。」
俺は涼風さんの膝枕で寝ていた。
涼風さんは俺の頭を撫でて寝かせてくれていた。
自分の置かれている状況に気が付いて、顔が赤くなるのを感じる。
「あ‥あの…。今日は他に何したらいいですか?」
俺がそう聞くと、涼風さんは微笑んだ。
「ちょっと休みなさい。あんた私が寝た後も1人で特訓してるでしょ?体壊されちゃ困るから休みなさい。」
意外と俺のこと見てくれてたんだ…。
久しぶりに感じた人の温もりが…
少し嬉しかった。
「それとも…私の膝枕じゃ不満かしら?」
涼風さんは笑って言った。
「そんなこと…ないです…。」
「ならそのまま寝てなさい。ずっとこうしててあげるから。」
不思議な人…。
特訓してる時は鬼のように厳しいし、実戦の時も容赦なく殺しにかかってくる人なのに。
何もしてない時は…こんなに優しい人なんだ…。
「涼風さんは何で悪魔と契約したんですか?」
気になって聞いてみた。
「…何でだろうね…。昔のことだから分かんないや!」
遠くを見つめて言う涼風さん。
それ以上は聞かないことにした。
人それぞれ色んなことがあって契約してると思うから…それを聞くのも失礼だし。
俺も…涼風さんのように強くならなきゃ…。
そう思って眠りについた。