始末屋

『まぁ、合格点だ。お前‥うちのご主人様に戦い方教えろ。』


デスアビルが女の人に言った。


「風魔扇。」



女の人の扇子が身長と同じくらい大きくなった。


「私に何のメリットがあってその子に戦い方を教えなきゃいけないのかしら?」



『さぁ?だが、お前のプラスになるかもよ?うちのご主人様結構しごきがいあるからな。』



「鎌鼬!」



さっきよりも強力な風の刃がデスアビルに襲いかかる。


デスアビルは避けずにもろにくらった。



だが、デスアビルは無傷だった。



『自分を過信しすぎだよお前。この程度の力で一体何ができる。』


デスアビルは笑って女の人に言った。


『今のこいつの体じゃ俺様にも限界がある。だから協力しろ女。』



「はぁ…。分かったわ。ただし…その男の子と話をさせてくれない?」


女の人がそう言うと、俺は元に戻った。


「君さ…一体何の為に悪魔と契約したの?」


「…目標があるからです。その目標の為なら自分なんてどうなっても構わないと思ったから…」


俺がそう言うと、女の人は溜め息をついた。


「じゃあ…君はその目標の為なら人を殺すこともできる?」


人を…殺す……。


考えたこともなかった。


「簡単に言うけど‥君には無理よ。悪魔の契約者としては優しすぎる。

自分の目標の為ならどんなことをしてもいいと思わないと無理よ。

良心を捨てなさい。普通の人間として生きれないことを覚悟しなさい。

そして…自分以外の人間なんてどうでもいいと思いなさい。
じゃないと‥今は大丈夫だけど‥いつか悪魔に魂を食われちゃうわよ。」



俺は拳を握って頭を下げた。



「悪魔を背負った時点で‥自分がもう人に戻れないことは自覚しています。

俺は…自分の目標の為に強くならないといけないんです。

だから‥お願いします!」


俺がそう言うと、頭に手のひらが乗った。


「あんたの熱意に負けたわ。」


女の人はそう言って頭を撫でた。