―『次は…この木を蹴って落ちてきた葉を全部斬れ。』―



デスアビルがそう言ったのを聞いて、さっきの手順で悪魔の腕にして鎌を生やした。


「どれくらい落ちてくるかな?」


木は見上げるくらい大きな木だった。


木っていうか‥大木だよ‥これ…。


葉は枯れてるが、結構な量がある。



―『先ずはやってみろ。』―


言われるがままに、俺は大木を思いっきり蹴った。


だが、葉っぱは全く落ちてこない。



―『この木から葉を落とせるようになることが第一関門だ。』―


そういうことか‥。


足はさっきので痺れていた。


葉っぱ落とす段階から苦労するなんて‥。


「てかお前‥意外と考えてやってるんだな。」


―『口調‥また変わってるぞ?』―


デスアビルはバカにしたような声で言った。


「あぁ‥もう移ってきてる‥。」



俺はまた力を込めて大木を蹴った。


だが、大木はビクともしない。


自分の力の無さがよく分かった気がする。

―『今更だろ?お前自分が何でもできる天才だと思ってたのか?』―



ムカつくな~…こいつ…。



もう1回蹴ろうとしたその時……。




ビュウッ!


後ろから風が吹いて、体制が崩れた。



何だ?
珍しいな…。


俺は後ろを見た。



ん?


木々の隙間に誰か居るのを見た。


俺はコソコソと近付いて、誰かを確認した。



―『おい。』―


「何‥?」



声を出したその時。



ビュウッ!


風が吹いて、ナイフが飛んで来るのが見えた。



「わぁっ!」


とっさに後ろに倒れて避けた。



ガサッ!


その誰かが隙間から出てきて、俺の首にナイフを突き付けた。


「‥あら‥?男の子?」


顔を上げると、下着姿の綺麗な女の人が居た。