魚を全部食べ終わり、服を乾かして、俺は服を着た。


服…欲しいな…。


今更村に戻れないし。



―『薫、続きだ。』―



「はいはい。」


俺は腕を出して目を瞑った。


自分がデスアビルと同調する感じで…。



目を開けると腕の肘までが悪魔の腕になった。


ここからは殺意と憎しみを混ぜて…刃にする。


悪魔の腕から鎌が生えた。



「できた…。」



―『遅い!10秒もかかったぞ?そこまでを2秒でやれ!』―



厳しいな~‥。


でも‥これも桜の為‥。


腕を元に戻した。



「腕から鎌までが‥難しい‥。どうしても集中が途切れるな~‥。」


―『どうする?』―


「……分かった……」



俺は腕を出した。


デスアビルと同調して、そこに殺意と憎しみを刃にする…。


そこを区切るからダメなんだ。



デスアビルと同調を省いて、一気に殺意と憎しみを刃にする感じでいけば…。



腕は悪魔の腕になって一気に鎌が生えた。


「何秒?」


デスアビルに聞いた。


―『5秒…まだ遅い。いちいち集中するな。自然になれ。その感情を表に出せ。お前は全てを失った。愛する人も…幸せな日々も…。それは誰に奪われた?その憎しみや殺意を常に表に出せ。』―


「お前らの変な戦いに巻き込まれたからだろ!?桜も慎司も沙織も!俺の未来も全部!!お前らが奪ったんだよ!!」


―『2秒だ。合格。』―



デスアビルがそう言うと、俺の腕は変わっていた。



―『どんな物でもいい。俺に憎しみを宿すなら常にその殺気を出せ。そうすれば簡単だ。殺気は合格点だ。後はその人間らしさを捨てればいいだけだ。』―



「お前…わざと挑発したろ?」



―『どうした?口調変わってるぞ。』―



あっ‥!

ダメだ…。


1ヶ月も一緒に居るからたまに口調が移ってしまう。



―『いい感じだな…。次に移るぞ?』―



デスアビルは嬉しそうに言った。