あれから1ヶ月が経ち、俺は村から離れた山の中に籠もっていた。


お腹…空いた……。


喉乾いた……。


―『薫…腹が減ったらどうするんだ?』―


デスアビルが俺に言う。



「分かってるよ!」


川の方に歩いて行く。



川に着いて、服を脱いでパンツ一丁になった。


そして、川に飛び込んだ。



川の中にはいっぱい魚が居る。


俺は泳いで魚を捕まえて、岸に投げる。


それを繰り返して5匹捕まえた。



そして枝を折って魚に刺して、枯れ葉や枝を集めて、そこにさっきの魚を刺した。


―『薫‥火はどうする?』―



俺は集中して息を吸った。


「ブラックフレア!」


威力を抑えて、枯れ葉に火をつけた。



―『5秒だな。集中するのが長いんだよ。戦いの中で5秒は死を招くぞ?』―



デスアビルが厳しく言った。



―『ここまで出来たのが1ヶ月。』―



「遅いって言いたいの?」



俺は火に当たって暖を取る。



―『早い方だが遅いな。もっとやってくれると思ったがな…』―


そもそも俺は普通の人間だってこと忘れてないかな?


―『強くなりたいと言ったのはお前だろ?』―


また忘れてた…。
俺が言葉にしなくても聞かれてるんだった。


「てか…この食料の取り方もう限界…寒い…。」


季節は冬なのに…何でこんなこと…。


―『生きる為だ。』―


「凍えて死ぬよ!このままじゃ!」


―『釣るよりかは早いだろ?お前炎が出せるんだからいいだろ。』―



そういう問題じゃないのに…。