村から少し離れた場所に来て、岩に座った。



「…ねぇ。」


デスアビルに問いかけるが反応がない。


「ねぇって!」


―『何だよ…俺か?』―



「あんた以外居ないでしょ。」



―『何の用だ?』―



「強くなりたいんだ‥。あの悪魔に勝って‥桜を救いたいんだ。」



俺がそう言うと、デスアビルは笑った。



―『俺様に任せておけばいいのに‥お前がわざわざ強くなる?人間はできない目標を掲げて生きるのが好きなようだ!』―



「絶対強くなる!もう…大切な物を…目の前で失うのは…嫌なんだ…。」



―『強くなる…。それは本気か?』―



「本気だよ!」



―『ふふっ‥おもしろい!見せてもらおうか‥お前の覚悟をな!せいぜい楽しませてくれよ?』―



「楽しませる?違うよ‥焦らせてやるよお前を。」




―『へぇ~‥。気に入ったよお前。いや…薫。たまたま契約したが…上物の魂かもな。』―



高校受験も……楽しかった日々も……桜との幸せな日々も……全部終わったんだ……。



これから一体どうなるんだろう…。



俺は不安で一杯になっていた。