始末屋



桜は今までと何も変わらず…暖かくて…落ち着いた気持ちになる。


嫌だよ…桜…。


「…ずっと…!ずっと一緒に居るって約束したじゃんか…!桜…約束破ったこと…ないじゃん…!」



俺は桜を抱きしめて言った。



「ごめんね…?私…薫との約束…もう守れないんだ…。

…その代わり…私の心だけは…薫の中に置いとくよ…」


俺は首を横に振る。


桜は俺の頭を撫でた。


「薫…?薫は初めて会った時から…オドオドしてて…どこか頼りない感じだったね…。

でもね…?
薫は…私を信じてくれた…。
私が悲しい時はいつも…!いつも…側に居てくれた…!
私が…勝手に怒ったり…八つ当たりしちゃっても…いつも…薫は私を…優しくくれた…。
酷いこと言っちゃった時も…いつも…笑って許して…くれた…。

薫は…私のこと…自分にはもったいない…って言ってくれる…けど…
それは…私だよ…!
私みたいに…ワガママで…頑固で…意地っ張りな私と付き合ってくれて…本当に…ありがとう…!」


桜が言ってくれた言葉に火がついたように泣いてしまった。


「薫の…泣き虫…!…ちゃんと…臆病な所も…泣き虫な所も…治しなさいよ…?」


「治すから…!全部…治すから…!お…俺から…離れないで…?」



俺がそう言うと、桜は俺を見た。



「…薫…キスして…?」


桜は精一杯笑顔を作って言った。


首に手を回してゆっくり顔を近付けた。


そして、目を瞑ってキスをした。



「薫…。私…薫のこと…ずっと愛してる…!」


「俺も…桜を一生…愛し続ける…よ。」


俺達はまた抱き合った。