始末屋

沙織を連れて洞窟まで着いた。


そして中に入っていき、暗闇の中を進み続けた。



しばらくすると、急に沙織が止まって、背中にぶつかった。



俺はその場所を見た。




訳が分からない光景が目に飛び込んできた。


髑髏が宙に浮いていて、それが明かりを発している。



ガキンッ…ガキンッ…!



そこには、漆黒の体…角が2本生え…羽が生えていて…尻尾も生えた2体の悪魔が居た。


あれが悪魔…?



2体は鎌で戦っている。


その真ん中あたりに何かがあった。



何あれ…?


目を凝らしてよく見ると














慎司の首が転がっていてこちらを見ていた。


体は八つ裂きにされ、辺りに散らばっている。



「うぅっ…!」


強烈な吐き気を催し、俺は壁まで行って吐いてしまった。


俺は沙織の方に戻ろうとした。










ビシャアッ…!


俺の顔に何かかかった。


何…?


顔を手で拭った。


血……?



コツッ…。


足に何か当たり、下を見た。



沙織の………首……。


意識がまだあるのか、俺を見てまばたきをした。



沙織の体はピクピクと動き、崩れ落ちるように倒れた。



「………………!」


声が出せない…。



出したら……死ぬ……。



『ネズミが1匹入ってるくらいで少し大袈裟じゃなぁい?大人気ないわね~』


『うるせぇよカス。続けようか?』


悪魔達はまた戦い始めた。



助けて…助けて…助けて…助けて…。



桜は…?


俺はハッとして悪魔が居る場所を見た。


桜…!


桜は岩場の影に隠れて震えていた。


桜…助けなきゃ…!


動こうとするが足が震えて動けない。


動け…!動け…!


桜は絶対助けるんだ!


幸い向こうは俺に気付いてない…。


桜の所までどうやって行こう…?


俺は考え始めた。