桜は俺を見つめた。


「薫は…私のこと…どう…思ってるの?」


「ど…どうって…」



「私の存在は…迷惑かな…?その……いつまでも幼なじみで側に居るのも…薫はどう思ってるのかなって…考える…。」



桜はうつむいて言う。



俺は……。


答えは決まってる……けど……。



「きょっ…今日は…久しぶりに肉じゃがが食べたいかな!早く材料…買わないとね…」



……反らすことしかできない…。



桜が制服の袖を掴む。



「…根性なし……。」



「……怖いんだ……桜を幼なじみとして見れないのが…。初めて…会った時から……。」


俺は黙ってしまった。


「薫と何年居ると思ってんの?もうとっくに気付いてるから……はっきりしてよ。」



桜を見ると、顔を真っ赤にして下を向いていた。


「……その…好き…なんだ…。桜の…こと…。」



俺がそう言うと、桜は笑った。


俺は顔が赤くなっていくのが分かった。



「やっと言ってくれたね!何年待ったと思ってんのよ。」


「えっ…?」


「私も好きよ…薫。そう言ってくれるのずっと待ってた。」



ヤバい…。


俺は頬を何回もつねった。



「夢じゃないよ!ほら…肉じゃがでしょ?早く買いに行こ!」



そう言って桜は俺の手を握って進み始めた。



「桜…!その…えっ…?あの…」


頭の中がグシャグシャだ。


何がなんだか分かんない。



「私も好きなの!薫のこと!何回も言わせないでよ…バカ…。」


えっ…?



じゃあ……


俺は桜の手を握って歩くのを止めた。


驚いて振り返る桜。



「付き合って…下さい…。俺と…。」


そう言うと、桜は俺の頭を撫でた。


「ずっと一緒に居てね?」



「居るよ…ずっと。」



桜は微笑んでまた歩き出した。


今までとは違う。



少し顔を赤らめて…。