授業が全て終わり、俺は帰る準備をしていた。


「じゃあな薫!また明日!」


慎司がそう言って帰り始めた。


「慎司?!一緒帰んないの?」


俺がそう言うと、慎司は俺の方に来た。


「言ったろ?今日は桜と過ごせって。早く桜の所行ってこい!じゃあな~!」


「あっ!慎司!」



慎司は帰っていった。


今日何かあったかな~?



俺は通学カバンをからって、桜の居る教室に向かった。



「桜!」


教室に着き、桜を呼んだ。



桜は俺に気付いて、沙織と別れを告げてこっちに来た。



「あれ?沙織と帰んないの?」



「今日くらいは薫と帰りたいしね!」


桜は俺の肩をつついて言った。



「薫頑張りなよ~!」


沙織が笑いながら俺に手を振って帰った。


「今日って何の日?」


俺は桜に聞いた。


「何の日って‥忘れたの?」


桜はがっかりした顔で言う。


「忘れたのって…言われても…。」


そう言ったのを聞くと、桜は俺にデコピンをした。



「自分の誕生日も忘れるくらい勉強頑張んなくてもいいのよ?」



あっ…!


桜の教室の黒板を見て日付を確認した。



10月10日



本当だ。


誕生日だった。



「だいたい薫は大丈夫でしょ?私が頑張んないといけないだけだし…。」


桜はうつむいて言った。


「桜もそんなに心配しないでも大丈夫だよ。俺が保証するから!」


俺がそう言うと、桜は笑いだした。


「薫に保証されてもね~!でも…ありがと!頑張る元気出た。」


桜は俺の頭を撫でた。


「もっと身長大きくなったらかっこいいのにね~!」


俺の身長は160㎝。


桜の身長は155㎝。



あんまり変わらないのは正直コンプレックスだった。



この身長だけで、桜に振り向いてもらえない気がしていたから‥。