君との出会いは、まだ5歳の時…
「ねぇ?君いつも1人だよね!」
砂場で1人山を作っていると、1人の女の子が俺の隣に来ていた。
俺は無視して山を作り続ける。
「ねぇ?1人でいるの楽しい?」
服を引っ張って俺に聞く女の子。
「…ずっと1人だから…1人で居るの。僕にはパパもママも最初から居なかったから…今も1人で居るの。」
山を作りながら女の子に言った。
「あたしも~…。パパもママも居なかった!だから一緒だよ?あたしも一緒に遊んでいい?」
そう言って女の子は俺と一緒に山を作りだした。
俺はそれをじっと見つめていた。
「何で僕なの?」
俺がそう言うと、女の子は俺を見て笑う。
「1人じゃつまんないよ?だからあたしが君と居るの!その方が楽しいから!」
不思議な子だ。
素直にそう思った。
「あたしは桜!よろしくね!」
「僕は…薫…。」
「かおるか~!女の子みたい!」
笑って山を作りだす。
何だか不思議だけど…心の奥が暖かくなるのを感じた気がした。
これが桜との出会いだった。