―楓と薫―


俺達は涼風を置いて先に進んでいた。



「ほんまに大丈夫かい?あの姉ちゃんだけ置いて…。」


楓は俺に聞く。


俺はタバコをくわえて火をつけた。



「あんたが思ってるほどあいつは弱くない。それより…自分の心配をしたらどうなんだ?」


俺がそう言うと、楓は俺を見た。


「薫はんは薔薇やな。見てる分は綺麗やけど触れたら大怪我してしまいそうな棘(とげ)がある。そんなところや!」


楓はそう言って笑った。


「好きなのか?人を観察するのが。」


「職業柄ですわ。裏稼業やってたら依頼人の顔色見て、仕事するかしないかを決めるのが癖になってしまって。気分悪くしました?」


「いや‥そんなことねぇよ。」



煙を吐いて言った。


そりゃ癖にもなるだろうな。



「薫はんは何でここに来たんですか?」



お喋りな奴。



「昔の借りを返す為にだ。」


「そうですか‥。俺は妹を殺した奴がここに居るのを聞いたからです。

俺はガキだったんです。
自分が一番強いって錯覚して‥仕事してたらこの有り様や…。

だから全てを捨ててここに来ました。」


広い場所に出ると、青龍刀を2本持った男が1人立っていた。



「人間なんて…いつまで経ってもアホのままや。
そこにある物の大切さを知らず…失って初めて気付く愚かな生き物や。

俺もそうやった。
いがみ合ってた妹が居なくなって初めて気付いたんや。

薫はんは…そんな人間なったらあかんで?」


楓は俺にそう言うと、男に殴りかかる。


男は避けて剣を振り下ろした。


楓は転がって避けて、拳に雷を纏って男に殴りかかった。


男は剣でそれを受け止める。



「ソード…久しぶりやな?あの時の約束果たしに来たで。」


「お前なんか知らない。一丁前に俺に挑むと死ぬぞ?」



ソードは剣を押して楓と間合いをとった。