始末屋

俺は腕を振りかぶってパペットの顔面を殴った。


―『ぶふっ…!止めてくれよ…まだ俺は…この世界に居たいんだ!』―


「お前はそう命乞いをした人間を何人殺した?未来のある子供達を何人殺した?

まだわからないの?お前に命乞いなんてする権利なんて…あるか!!」


剣を出して、パペットの肩に突き刺した。

―『ギャア~…!』―


「これは俺をバカにした分…」


もう1本剣を出して次は腹に突き刺す。


―『ぐぁぁぁ~…あ…。もう…止めてくれよ…。』―


「これは涼風さんの彼氏や…お前が殺した人達の分。」



俺は立ち上がって涼風さんの方に歩いていった。



「そしてこれは‥大切な人達を失った‥涼風さんや残された人達の分だ。」



パペットに手をかざした。


―『ひぃっ‥!止めろ‥止めてくれよ!』―


俺に必死で命乞いをするパペット。


「言ったろ?お前みたいなクズに…命乞いをする権利なんてないよ。あの世でも罪に焼かれろ!!」


パペットの真下から大きな火柱が上がった。



「始末完了。」


俺は涼風さんの方に行って頭を下げた。


「ごめんなさい!涼風さんの復讐に水を差すようなことしちゃって!」


そう言うと、俺の頭に涼風さんの手のひらが乗った。


「いいのよ。あいつを殺したら…私は空っぽになってた。」


俺は頭をあげて涼風さんを見た。


「あなたは始末屋として…私の悲しみや恨みを背負って戦ってくれた。優君も立派な始末屋よ。薫の足手まといなんかじゃないわ。」


涼風さんは微笑んで言った。


俺は照れくさくなって顔を下げた。


「ほら!顔下げない!」


顔を上げると涼風さんが俺にキスをした。


「依頼料よ♪優君…本当にありがとね…。」


いつもの涼風さんに戻った気がした。


この依頼料…少しもらいすぎたかな…。



「私…少し疲れちゃった。休んだら行くから先に行ってて。」



涼風さんはそう言って座り込んだ。