「あぶない!」 えっ… 凌先輩は私の手首を握り引き寄せていた。 「あぶないだろ…車きてんぞ…」 下向いてたからわからなかったんだ。 「あ…すみません…ってやっ!!」 私は手首を握られた事に嫌気がさし 声を出し振り切ってしまった。 「あ…ごめん」 凌先輩は驚くように謝る。 「そんなに嫌だった?」 嫌だよ… 金持ちの坊っちゃんに手首を握られるだなんて… 「すみません」 私はそれしかいえなかった。 「あのさ…」 凌先輩が口を開く。