そう言って振り返ったのは、
「・・・小さい」
背の小さい男子だった。
たぶんアタシとそんなに
差がないぐらい小さい。
「靴箱って、中等部の?」
「ち、違います!高等部のです!」
「・・・ほんと?」
「ほ、本当ですから!!」
な、何コイツ。
初対面のクセしてアタシの
気にしてる事言いやがる。
「・・・高等部はあっち」
つまらなさそうな顔を
しながら男子は右を指差す。
「ありがとうございます!
君も入学式遅れないようにね!」
「もう遅れてるよ。
俺もアンタもね」
「アタシは高等部だからいいの!
君は中等部でしょ?背、小さいしね」
うん、絶対そうだ。
アタシの背とあんまり差がない
男子見たことないしね。
「・・・」
「中等部はさすがに遅刻は
厳禁だから気をつけてねっ」
「・・・おい」
「頑張りたまえ!後輩君よ!
じゃ、時間だから行くね!」
