隣にある笑顔






「あ、アタシ帰るね」

「は?ちょ・・・っ」



アタシはすぐに立ち上がって
靴箱へ急いだ。

チビ男もついてきた。



「つ、ついて来なくていいからっ」

「いや、でも・・・」

「いいって!心配しないで!」

「いや、だから・・・」

「もうしつこい!チビ男!」

「だから俺も帰るからこっち!!」

「・・・し、知ってるよ!」

「いや、嘘つくなよ!」






靴箱には花梨と美形君が
楽しそうに話していた。




「あ、陽介としーちゃんっ!」

「遅かったわね。って・・・椎名?」

「・・・花梨、頭痛い」

「は?アンタどうし――・・・」

「・・・帰りたい」



アタシの手を掴んだ花梨が
複雑そうな顔をしてから、


「分かった。帰るよ」



何かを察してアタシの手をとって外に出る。




「もう帰るの?」

「ごめんっ!また後で連絡する!」