・・・そうなんです。
アタシ、椎名は究極に背が小っこいんです。

そりゃ、もう小学生や中学生並みで
高校生なんて初対面の人に言われたこと
なんて人生一度もありませんからね。


・・・まあ今日から高校生なんだけど。


風早椎名、高校1年生、
身長146センチ。
趣味、特技はバスケ。
今一番やりたいこともバスケ


背が小さいのにバスケ?
なんてそんな事聞かないで下さい。



気づけばもうアタシと
おばあちゃんは大通りを
渡り終わっていた。


「ありがとねえお嬢ちゃん」

「いいえー」


アタシは荷物をおあばちゃんに
返して笑顔で言った。


「体に気をつけてねー!」

「優しいねぇ。私にもねぇ
可愛い孫がいるんだよ」

「へぇ。そうなんだ」

「とっても優しくてねぇ。
何でもしたくなるんだよねぇ」

「よかったじゃん!」

「この前もね孫が家に遊びに
来たときも肩を揉んでくれて
とても助かったんだよねぇ。
それで私も・・・」



・・・ヤバイ。
こ、これは完全に
おばあちゃんのまったり
ペースにはまったっ!


「それだからねぇ、私も
もう少し長生きをしようと
努力しているんだよねぇ」


「お、おばあちゃん・・・」

「だから最近運動を始める
ようになったんだけどねぇ」