アタシは背中をグーっと伸ばす。


「ここが新しいクラスかぁ」



本当に皆自由だった。

髪の毛が茶色の子もいれば、
ド金髪のヤンキー君もいれば
メガネちゃんもいる。


このメンバーとこれから
生活していくんだって考えると
ワクワクでずにはいられない。



「高校生活頑張ろうね、花梨」

「もう疲れたわよ」

「早いね、花梨ちん」


化粧直しを終えた花梨は
机にぐてーっと伸びる。



「・・・高校生といったら
まずは恋愛よね」


花梨がポツリとつぶやいた。


「恋愛しないと半分の楽しみは
なくなるって言うし」

「うん、でも・・・」

「いいのよ、私は。
ごめんね恋愛の話なんかして」



そう言って花梨は寂しそうに笑う。

その花梨の表情に私の心は
チクンと痛んだ。


「無理しないでね!」

「ありがと、椎名」



アタシが花梨を守るんだ。
花梨がアタシを支えてくれたように
アタシが花梨を・・・。



「ねぇねぇ、君達」


いきなり声をかけられた。