｢礼実…？｣

｢苺…。｣

｢何かあったの？そんな顔して｣

｢…苺が泣くから言わない。｣

｢やだっ！あたし、絶対泣かないからぁっ！｣

｢俺も泣くかもしれないから無理…ごめん…｣



あなたの哀しい笑顔。

せめて隣に来て…

隣であたしを慰めてよ…



泣きそうになるあたし。

見ていなくても、あたしの瞳が濡れているのぐらい分かる。



だって、あなたが笑ってくれないから。

｢話してないのに泣くなよ｣

｢話してくれないからだもん…｣

膨れることしか出来ないあたし。

｢まぁ…多分その内話されるから…俺からは聞かないで…｣

｢その内って？｣

｢え…それは分かんないけど…｣

｢ふーん…｣

｢あ。俺用事あるから帰るな？｣

｢うん。分かった｣

礼実があたしから離れてく。

後ろ姿が寂しそうだった。