吸血鬼は恋をした。

「完全な吸血鬼になったら…?」

「完全な吸血鬼は太陽の下を自由に歩くことが可能だ。十字架を向けられても問題ない…。どんな血を吸っても生死に関係しなくなり…吸う頻度も急速に減る」

そう言ったディオの顔はとても険しいものだった。
やはり吸血鬼のパートナーとは、簡単には手に入れられないモノなのだろう。

「あの…ディオさん」

「なんだ?」

この時…マリはこれ以上、ディオの悲しそうな目を見たくなかったのかも知れない。

そう、運命を決める理由は意外に単純なモノだったりする。

マリは自らの口を開け、迷いなく動かした。

「なってもいいですよ」

「っ!?…何を言って…」

「だ、だからっ!なってもいいって言ってるんですっ!!」

それは…運命の決断にしては、あまりにも明るい声で…

「そう簡単に決めていいものじゃないだろう…?」

ディオは少し焦ったような顔をした。

「私の人生です。私が決めて何が悪いんですか」

「………でも、だな」